通信簿をもらってきた時の親の態度

今は小学校でも2学期制が増えてきました。すると通信簿は夏休み明けの平日にもらって返ってくる事になります。

ひと昔前ですと、通信簿を父親に見せてお小言をもらい、その後は仏壇に供える、なんて事もしたものですが……。

通信簿は学校の成績表ですから、親としてはまず「ダメなところはどこか」と探してしまいがちです。
小学生の場合は、5段階評価のようなものではなく、「がんばろう」「もうすこし」「よくできました」というような評価の仕方が多いと思います。
特に低学年のうちはほとんどが「よくできました」だったりしますし、また、「がんばろう」のランクも親としても「いったいどのぐらいの成績順と考えていいのだろうか」と微妙にわかりませんね。

高学年になると通信簿も変わってきますが、基本的には通信簿をもらってきたら、親はまず、よくできた部分をたくさん褒めてあげてください。
通信簿をもらって、いい成績を褒められて嬉しくなったり楽しい気分になる「体験」がやる気へと繋がります。

同時に、何をがんばったほうがいいのか、どこがもう少し頑張らないといけないのか、といったポイントを親子でくわしく考える時間を作りましょう。
これは、できていない事を叱るのではなく、算数なら「計算はとてもよくできてるわね。図形はもっとがんばったらいいのかな」と通信簿を元に「これから、家庭学習で何をやったらいいのか」と親子で確認しあうという事です。

通信簿でもうひとつ大切なのは、成績以外の「生活」部分の評価です。忘れ物が多い、整理整頓ができない、といった問題は、実は子供の成績にも直結してくる大事なポイントです。
机の整理ができない子は、えてして授業に集中できていなかったり、気が散っている事が多いものです。忘れ物が多い子は注意不足で、テストではケアレスミスが多かったり、問題の読み間違えが多いものです。

生活面での問題こそ、家庭で直していける部分でもあります。
家庭学習でも、勉強するようにきちんと場所を整えてから始める、ランドセルの中身を確認するといった基本的なポイントを習慣づけるように親御さんが導いてあげるのが大切です。

褒め方もいろいろある

子供のやる気を引き出すためには、なんといっても「褒めて育てる」事が大切ですね。
しかし、なんでもかんでも褒めればいい、というものでもありません。

特に大切なのは、お子さんの性格にあわせて「褒める」ことです。
お子さんによっては、自分以外の人がいるところで、「すごいねー!」と褒められることによって、自慢に思い、嬉しくなってやる気が倍増します。
ところが、みんなの前で褒められると、ちょっと引いてしまう子供もいます。おじいちゃんおばあちゃんもいる席で「○○ちゃんは最近すごく勉強をがんばっていて、この前のテストは100点だった」と報告すると「やめてよ、お母さん」と不機嫌そうな顔をする子もときおりいます。
本当は嬉しいけれど恥ずかしがってるのだ、と親は思いがちですが、中には本当に周囲に「がんばった報告」をされるのを嫌がる子もいるので、自分のお子さんのタイプを注意深く見守るようにしましょう。

また、大袈裟に褒めるのがいい子もいれば、小出しにして、ちょっとした事でも「あら、すごいじゃない」と褒めてあげるほうがテンションがあがる子もいます。

もちろん、その子の性格だけでなく、その日の気分や褒めてもらう内容によっても変わるでしょう。

やる気を出させるために、褒める事はとても大事なのですが、「やる気を引き出すためには」と親があまり意識しすぎて、わざとらしくなってくると、子供は敏感に感じ取ります。
ですから、親としては子供の努力や姿勢をよく見守って褒めてあげましょう。例えば、テストの点数があがらなかったとしても、それまでにいつもよりたくさん勉強して頑張っていた、という事がわかるのは家庭学習を見守っていたお母さんだけがわかる事です。こういう事こそ、「あんなに頑張ってた姿を見て、お母さん嬉しかった。○ちゃんはすごいなぁと思ったよ。今回はテストの結果につながらなかったかもしれないけど、よくがんばったよね」と褒めてあげてください。

自分の努力、頑張りをお母さんは見ていてくれた、という思い、「お母さんに認められた」という思いが、次のやる気へとつながっていく事でしょう。

褒めて褒めて、好きな教科を増やしてあげよう

どんな教科でも、受験を考えていようといまいと、勉強できる子の基本は「やる気がある」という事です。
好きな教科はえてして得意科目になります。それは好きだからいっぱい勉強して成績が良くなるし、成績が良いから楽しくて好きになる、という好循環で回って行きます。すると、常にやる気が充実して、ますます成績がアップするというわけです。

その逆を考えると怖いですね。
成績が落ちてくると、その教科が嫌いになる。嫌いな教科だから勉強していても面白くなくて、やらなくなるから、もっと成績が落ちる。親に怒られたり、先生に言われたりして、やる気もすっかり失ってしまう、というわけです。

成績はおいそれとあがらないかもしれませんが、親が家庭の中でできることとしては、子供に「勉強を好きにさせる」ことです。
勉強が好きになれば、成績はアップし、結果的にやる気も生まれて来るということですね。

では、どうしたら、例えばお子さんが算数を好きになってくれるのでしょう。

一言で言えば、まず「褒めること」です。
単純に子供をアゲアゲの気分にさせてあげようという事です。
「すごいわね〜、こんなにできるの」「算数は得意なのね」「お母さんビックリしちゃった。後でお父さんにも褒めてもらわなくっちゃ」
こうして、子供をいい気分にさせてあげましょう。たったひとつの、簡単な問題でもいいのです。自らノートを開いて、問題を解いてみせたら、大袈裟なぐらい褒めてあげてください。

褒められて、嬉しくなり、もっとやろうという気になる。これがやる気を増やして行く、もっともベーシックなテクニックなのです。そして、勉強量を増やす事で成績の結果につながってくると、算数が大好きになり、大好きだから得意科目になる、といった好循環になるというわけです。

小さい事でも「目に見える成果」を作ってあげる

親の褒め言葉と同時に、「これだけやった」という本人の満足感、達成感も「次のやる気」につながります。
もっともわかりやすいのは成績がアップしたり、テストの結果が良くなる事です。
ところが、なかなかそうした点数や成績といったものに努力や頑張りの結果がすぐにあらわれる事はありません。
そこでお子さんのやる気がダウンしてしまうわけです。

家庭学習では、例えば使う教材のドリルなどは特に低学年のうちは薄いものを選ぶといいかもしれません。
とにかくきちんと1冊を「やり終える」という事が大事です。ドリルが1冊終わることで「こんなにやったんだ」という充実感を味わう事ができます。目に見えて「できた・やった」という事が子供の場合には特に重要になるのです。

ドリルと同じように、薄いノートを用意して、毎日学校で習った勉強を写す、とか、教科書の問題をもう1度解く、という方法を続けて、1冊のノートをきちんと使いつくす、といった体験もできますね。ノートを使い終わる、というのはもっとも身近で単純な方法なのですが、きちんとノートをとる事ができる、利用できるというのは「成績の良い子」の特徴でもあります。

他にも、「毎日家庭学習をやる」という目標をたてて、カレンダーにシールやマークをつけて、ちゃんと一ヶ月できた事が「誰が見てもわかる」というのもひとつの方法です。
時々、お父さんがカレンダーを見て「すごいな、毎日休まず続けてるね」と声をかけてあげるのもいいでしょう。
本人もマークをつけることで「こんなに毎日続けてるぞ」と実感できます。

見えない努力を、見えるようにしてあげることで、「がんばったぞ」という結果を本人に実感できるようにさせてあげてくださいね。

ダメなものまで褒めないこと

褒める事によって「子供のやる気を引き出す」のは定番です。
褒めて育てろ、という話は広く親御さんの間に浸透しているようですが、中には「悪い所でも褒める」といった、多少の勘違いをしている親御さんもいるようです。

ダメな所から、「良い所」を探して褒めるのはいいのですが、ダメなものを目をつぶって「それもよし」と褒めるのは違います。
例えば、学校の宿題をやらなかったら、それはどうやっても「ダメ」です。学校の宿題はきちんとやるべき事であって、それをしなかったり、「今日は宿題はなかった」などと嘘をついて、実際にはあった、という事がわかった場合には、これはきちんと叱る必要があるでしょう。

感情的に怒る必要はありませんが、子供が間違った事をしたり、嘘をついたりして勉強を怠けようという場面があったら、その場を逃さずにきちんと「ダメな理由」を説明しましょう。
この説明もダラダラするのではなく、また、理由の理由を述べる必要はありません。ダメなものにへりくつをつけてくる子供もけっこういますが、「それはイケナイ事だから」と、へりくつに対しては断言して終わらせていいのです。

ダメな事はきちんと子供に伝え、納得させましょう。
もし納得しない場合にも、ダメなものはダメだという事で押し切っていいと思います。

大事なのは、他人の前で見せしめのように叱ったり、他の人と比べて「だからダメなのよ」と感情的に怒ったり、子供の言い分を全く聞かずに一方的に長々とダメな理由のみならず過去の失敗まで持ち出して説教をする、といった「叱り方」です。
こうした叱り方では、それこそ「やる気」がなくなってしまいます。

ポイントをしぼって簡潔に叱りましょう。
そして、絶対に許せない事やイケナイ事をしっかりと叱った上で、褒めてあげたい部分はたくさん見つけて、小さい事でも褒めてあげるようにすればいいのです。

なんで勉強をしなくちゃいけないの? という子供の問いかけに対して

やる気をなくした子供がよくする言葉に「なんで勉強なんかしなくちゃいけないの?」という親に対する問いかけがあります。

この質問、けっこう難題です。しかも、子供が一度は口にするもっともスタンダードな質問でもあります。

やる気に関連づけして考えるのならば、「勉強する理由」に子供本人が納得すれば、やる気は再び出てくるとうい事になりますね。

親としては勉強するのは「当たり前」だとか、親の仕事と一緒で勉強は子供の仕事だ、というような「理由にならぬ理由」で逃げるタイプと、将来勉強をしないと仕事につけない、頭が悪い子は大きくなってお金持ちになれない、勉強をしないと学校に進めず仕事にもつけなくて、最終的に不幸になる、といったようなネガティブなイメージで答えるタイプといます。

しかし、どちらもあまりよい方法とは言えません。

この手の質問を子供にされた場合、まずお子さんの考えを聞いてみましょう。
特に将来何をしたいのか、小学生ならどんな中学に行きたいのか、サッカーや部活などやりたい事はあるのか、例えばお父さんみたいに仕事をして家族をもちたいのか、といった具体的な話をしてみましょう。
したい事、やりたい事があれば、それに「勉強」をつなげてみましょう。
サッカー選手になるんだってルールを理解し、戦略を立てるにはいろいろな勉強が必要になること、その基礎として学校の勉強がある事、などを説明してあげましょう。

学校を出て、いずれ「何かになりたい」時がきたときに、何も勉強していなくて、極端な事を言えばひらがなが読めず、簡単な計算もできなかったら、「自分のやりたい事をめざすこともできない」のです。逆に今がんばって勉強したら、いろいろな力が子供について、将来の夢が決まったときに「きっとその夢が叶う手助けになるよ」と話してあげましょう。

一番大切なのは、どうしてそのような質問をしているのか、子供の今の状況を、会話の中で見つけていくことです。
何が嫌で、どうして勉強をやりたくないと思ったのか、という気持ちを、こうした会話の中から吐き出させてあげてください。
直接「なんで勉強が嫌なの」と聞くよりも、会話の中で自然と子供自身も吐き出せるように導けるといいですね。